「イヤイヤ期」のウソ
「最近、うちの子もイヤイヤ期に入ったからか、ヤダヤダ言って大変だわ」
という声をよく耳にします。
「自分のやりたいことはわかってるけど、上手くできなかったり、表現できないから、イヤイヤ言うんだよ」
とか、いう声もよく聞きます。
本当にそうでしょうか?
言葉というのは非常に便利な反面、私たちの思考をストップさせることもしばしばです。
子供が何かを嫌がっているように見えた時、何を言おうとしているのか、何をしたいのかは、毎回違うと思います。
もちろん、先に挙げたように、自分の意思が上手く表現できなくて、イヤイヤと言っている時もあるかもしれませんが...
「この子はイヤイヤ期なんだ」の一言で片付けられたら、子供はどう感じるでしょうか?
もしあなたが、何かで悩んでいて、
「んまぁあなたぐらいの年齢の方なら、そんな悩みもあるよね、うんうん」
とか言われたら、
「もうコイツに悩みなんて絶対打ち明けへん!」
って思いませんか?
確かに大変だけど、私は毎日違う息子と付き合っていきたいと思います。
↑ギャン泣きする晃生
息子と過ごした半日の中で、息子が私にくれたもの。
今日は、息子の晃生と二人きりの半日でした。
大阪城公園の梅を見にいきました。
初めは家族三人で梅を見ていまして、途中から奥さんは用事があるとのことで、バイバイと言って去っていきましたが、少し晃生が泣いたので、てててとまた戻ってきて、いつもの二倍、バイバイと言って去っていきました。
それから、二人でゆっくりと、大阪城公園をぶらりぶらり。
大人では、興味を示しそうにもないところに、ずーっと居座って、何かを指差していますが、何に興味があるのか、全然私にはわかりませんでした。
夜遅くまで、一緒にご飯を食べたり、お風呂に入ったり、遊んだりして過ごしました。
「今日一日は、自分のことをする時間がなかったなぁ」
と、ふと思ったのですが、
「いや、この子と過ごせた幸せな時間は、自分のもっとも大事にしたい時間だから、一日中自分のために時間を使えたんだなぁ」
とも思いました。
バリバリのビジネスマンだったら、なんだか昼過ぎまで寝てしまったかのような、あの後悔に近いものを感じているのかもしれません。
でも、こんなに幸せにあふれた日に、後悔など感じられるはずもありません。
どんなに小さな子供にだって、貢献感を与えることを、ずっとずっと私たち両親に対してしてくれているんだな、と、とても感じた一日でした。
ママがお風呂に入っている時に泣き叫ぶ晃生が教えてくれた敬意。
今、ママが一人でお風呂に入っています。
息子のコウセイ君は、一人取り残されています。
しばらくして、コウセイ君は、ママがいないことに気がつきました。
キョロキョロ。
すぐに、ママはお風呂に入っているということに気がついたようです。
よちよちと歩いて行き、お風呂のドアの前に立ち、まるでゾンビのようにもたれかかり、ド
アを叩きながら泣き叫び始めました。
「さて、私はどうすべきか。」
少し考えて、コウセイ君のところに向かいました。
「コウセイ、ママは今、お風呂に入っているよ。コウセイが、ドアを叩きながら、泣いてし
まうと、ママはどう感じるか、知ってるかな?」と
質問をしました。
コウセイは、相変わらず泣いています。
「かく言う私も、わからないんだけれどね。きっと、きっとママは、気になってゆっくりお
風呂に入れないんじゃないかなぁと思うんだ。予想だけどね。」
コウセイ君は、泣き止みます。
「じゃあね、どうしたらいいと思う?ママは、どうしたら喜んでくれるかな?わかる?」
コウセイ君は、じっとドアの向こうにいる、霞んで見えないママの方を向いています。
「これもね、私はわからないけれど、きっと、お風呂に入っている30分ぐらいの間は、静
かにコウセイ君が待っていてくれたら、喜ぶんじゃないかなと思うんだ。どうかな?一緒
に、リビングで遊ぼうか?」
私は、少し間をおいて、晃生を抱き上げました。
しばらくすると、私の腕の中で、眠りました。
今まで、私の腕の中で眠ったことはなかったが、安心したのか、ただ眠かっただけなのかは
わたしにはわからないけれど、ママを喜ばせたいというわたしとコウセイ君の気持ちは同じ
だったのかもしれません。
お風呂から上がった嫁は、寝ているコウセイ君をみて、驚いていました。
「あら、寝ちゃったのね」
この人は、もしかしたら、自分がしていることが、どんな影響を周りに及ぼすのか、知らないのかもしれない、というところから、コミュニケーションをスタートさせることが、敬意をもって接する、ということだと思います。
大人同士なら、相手にわかるように話そうとしたり、前提知識は何かということを気にするけれど、赤ちゃんのことになると、自分の常識で考えてしまいます。
お風呂のドアを叩いて泣き叫ぶなんて迷惑だ、なんていうのは、日々、成長していくうちに気がつくことで、1歳の子は知りません。でも、敬意をもって対話を続ければ、理解できます。
叱ったり、なだめたりして、エネルギーを使うことなく、子供と接することは、とても楽しいことです。
👆私と一緒に、ママのお風呂上がりを待つ。