ママがお風呂に入っている時に泣き叫ぶ晃生が教えてくれた敬意。
今、ママが一人でお風呂に入っています。
息子のコウセイ君は、一人取り残されています。
しばらくして、コウセイ君は、ママがいないことに気がつきました。
キョロキョロ。
すぐに、ママはお風呂に入っているということに気がついたようです。
よちよちと歩いて行き、お風呂のドアの前に立ち、まるでゾンビのようにもたれかかり、ド
アを叩きながら泣き叫び始めました。
「さて、私はどうすべきか。」
少し考えて、コウセイ君のところに向かいました。
「コウセイ、ママは今、お風呂に入っているよ。コウセイが、ドアを叩きながら、泣いてし
まうと、ママはどう感じるか、知ってるかな?」と
質問をしました。
コウセイは、相変わらず泣いています。
「かく言う私も、わからないんだけれどね。きっと、きっとママは、気になってゆっくりお
風呂に入れないんじゃないかなぁと思うんだ。予想だけどね。」
コウセイ君は、泣き止みます。
「じゃあね、どうしたらいいと思う?ママは、どうしたら喜んでくれるかな?わかる?」
コウセイ君は、じっとドアの向こうにいる、霞んで見えないママの方を向いています。
「これもね、私はわからないけれど、きっと、お風呂に入っている30分ぐらいの間は、静
かにコウセイ君が待っていてくれたら、喜ぶんじゃないかなと思うんだ。どうかな?一緒
に、リビングで遊ぼうか?」
私は、少し間をおいて、晃生を抱き上げました。
しばらくすると、私の腕の中で、眠りました。
今まで、私の腕の中で眠ったことはなかったが、安心したのか、ただ眠かっただけなのかは
わたしにはわからないけれど、ママを喜ばせたいというわたしとコウセイ君の気持ちは同じ
だったのかもしれません。
お風呂から上がった嫁は、寝ているコウセイ君をみて、驚いていました。
「あら、寝ちゃったのね」
この人は、もしかしたら、自分がしていることが、どんな影響を周りに及ぼすのか、知らないのかもしれない、というところから、コミュニケーションをスタートさせることが、敬意をもって接する、ということだと思います。
大人同士なら、相手にわかるように話そうとしたり、前提知識は何かということを気にするけれど、赤ちゃんのことになると、自分の常識で考えてしまいます。
お風呂のドアを叩いて泣き叫ぶなんて迷惑だ、なんていうのは、日々、成長していくうちに気がつくことで、1歳の子は知りません。でも、敬意をもって対話を続ければ、理解できます。
叱ったり、なだめたりして、エネルギーを使うことなく、子供と接することは、とても楽しいことです。
👆私と一緒に、ママのお風呂上がりを待つ。